踊る
今住んでいるこの国で、外国人が就職をするのはとても難しい
言葉、資格、滞在許可書のランク などなど
シェンゲン協定が結ばれている国の人間が有利である
私はアルゼンチンタンゴを踊っている
踊り始めて8年目だ
先に書いた通り就職は不利な中
私の踊りを気に入ってくれたプロダンサーが
私にアシスタントとして来てほしいと、声をかけてくれた
今のところ報酬は少ないが、主婦のアルバイトとしては十分である
というか、お金が重要ではなく、専業主婦の悩みかもしれないが
自分の居場所・こちらの人との繋がりが欲しかった
雇われて、順調にいくかと思った矢先に
乳がんが発見されてしまった
ありがたいことに、切られること無く
復帰後の未来予想を語ってくれた
アルゼンチンタンゴは足さばきが美しいダンス
ムチのような足技は、足だけでなく上半身も必要とするので
いつ踊りに復帰できるのか、前のように戻るのかがとても不安であった
手術から12日目、近所のマーケット&お店が夜祭りを開いた
その中に、野外ミロンガ(ミロンガはアルゼンチンタンゴの踊り場)があったので
旦那さんと一緒に出かけた
特別準備は無く、靴もウエッジソールの普通の靴
タンゴのリズムに合わせて体を動かし
集まった人が踊っているのを眺めていると
「少し踊ってみる?」と旦那さんが声をかけてくれた
不安になりながらも、「軽く歩いてみよう」と踊り場に出た
動ける
腕が上がらないので、ホルードが定位置ではないし
体をひねる動作は難しく、若干痛みを感じるものの
結構動けるのだ
とっても嬉しい、いい感触だ
動かすのが怖かったけれど、大丈夫
復帰に向け、リハビリを頑張らなくてはいけないと思った