乳がん記録帳 in スイス

33歳でBRCA2異常の乳がん発見。2019年 肝臓・骨・リンパへの遠隔転移。スイスで治療中。2021死

残念だけこ、これを書いてる人は、旦那です。

 

ナコラ、俺の大好きな妻、が死んでしまった。

 

五月は、とても元気でした。ひこしして、少しおどって、たべて、家族と出会いしていました。みんなはよくなるとおもった。

 

六月は、すべてあたまが痛くなりました。いっぱいはいた。病院にいった。CTとMRIをつけた。のうみそうがんをみつけた。ふたつ、3センチづつ、あと小さいのいっぱい。

 

ふつかかんあとで死んだ。

 

さびしい。

腫瘍マーカー減る

1月後半に腫瘍マーカーを測った

2月11日に抗がん剤をアブラキサンに変更してから

約1ヶ月半後に再度測ったマーカーは減っており

CEAとAC15-3に関してはもう少しで約半分となっていた

それでもまだ高いのだが、抗がん剤が効いていることだと信じたい

また、ビリルビンの数値も通常範囲内だったので

肝臓の調子も悪くはなさそうだ

 

さて、話は全然変わってしまうのだが

少し愚痴

日本帰国に関することだ

世界各国、出入国にさまざまな対策を行い

なんとかウイルスの蔓延を防ごうとしている最中

あるブロガーが日本に帰国した

この方のブログは情報もたくさんあり

毎日更新していてすごいなーなんて思っていたが

コロナが始まってからの投稿は気になることが多く

自分の気持ちをいらっとさせることが何度もあった

 

ウイルスが猛威を振るい

変異種の出現でまだまだこの先どうなるかわからない状況なのに

前から予定していたのでと、この方は帰国した

ブログには色々と書いてあった

必要な書類とか、入国してからの隔離の話とか

隔離中の弁当が冷たいだとか…

 

いやいや、そうでないだろう

日本政府が水際対策を強化し、強制的に3日間隔離し、不便を強いる

これは、よっぽどのことがない限り

『外国から日本に来るな』というメッセージだろう

費用も国が払うということは税金だろう

 

この方の目的は何だかわからない

よっぽど大切な、今やらなければならない用事があってのことだろう

そう信じたい

 

まさか『この大変なコロナ禍の中、少しでも心が満たされるよう、満開の桜の画像をお届けしたかった』

 

などという勝手な使命感だったら、この方にはつくづく呆れるしかない

鼻血とワクチンと脱毛と

鼻血とワクチンと脱毛

12月の薬剤変更から今まで(3月3日)に起こっていることだ

 

シスプラチンとゲムシタビンで弱った体に

夏に起こった原因不明の炎症の治療で更に弱り

効くかどうかわからないカドザイラへと変更になったこの身体

 

血液値がずーーとよくなく、定期的に輸血が必要だった

白血球はそこそこあるのだけれど

ヘモグロビンと血小板が待っても、輸血しても上がってこない

 

ヘモグロビンがないから、ずっと疲れている、歩けば息があがる

常に(特に夜や就寝前など)心臓がバクバクしている

血小板が少ないと、粘膜がなくなるので

胃腸の調子が悪い。うまく動いていない感じがする

排便すれば必ず切れて、体に簡単にアザができる

鼻血も1時間止まらず、体を修復できていないことがよくわかった

 

なので、薬をまた変更して、血液に影響の少ないという

タキソール系をもう一度使うことに決まった

 

そんな中COVIDのワクチンをもらえることになり

1回目は2月の初めに打つことができた

副作用は、頭痛と腕の痛み。痛み止めは効果を発揮したが

腕は痛みというか痺れというか、このままもげるのではないかという痛み?

2,3日後にインフルエンザの軽い症状なようなものもあったが

それらも5日くらいすれば無くなった

 

その後、抗がん剤を変更して

気になってきたのが、体重増加

足のむくみもひどく、普通の太り方ではないなと感じた

あっという間、1週間くらいで44kgが52kgになった

腹水だったら嫌だな、怖いな、これで一気に悪くなるのかと

不安だけしかなかった

 

PET検査をしてわかったのは、やはり腹水があった

量はまだ少ないので利尿剤で様子を見ることになり

おそらく抗がん剤投与で落ち着いたか

自身の回復力がついたのか、よくわからないが

その後は体重も浮腫もおさまってきた

 

現在はアブラキサンを半量で定期的に使いながら

経過を見ていくことになった

ほぼ毎日なんとなく出ていた、熱と痛みが無くなったのだが

脱毛は免れなかった

投与中の冷却をどうするか聞かれたが

医師、看護師は髪が残る確率は50%だと言うので

7年前に脱毛は経験していたので、まあいいかと

冷却はしないでいたが、やはり抜けるものは抜けてしまっている

この文章を書いている今、80-90%くらいは無くなっている

今回はコロナのこともあるので、美容室に行かずに待ってみようと

チャレンジしたが、あまりにもごっそりと抜けるので、インパクトはすごい

髪の毛が大事。コスメ&メイク大好き。自分の美容を常に考えている人は

半端ない精神的ダメージがあるだろうなと感じた

 

この時にしたPET検査で、現状を知ることになった

腹水と肝臓に残るいくつかの腫瘍がよくないポイントだったが

骨やリンパに行った腫瘍がだいぶ消えており

医師はもっと悪く進行していると思っていた。と言っていた

なので、結果としては良くも悪くも横ばいなのではと捉えている

 

そんなこんなで、7年目がマルッと終了し、8年目の闘病に突入する

カドサイラへ薬剤変更

メトロノームでの抗がん剤治療、結構よかったのだが

今回の原因不明の炎症騒動と血液値があまり良くなく

輸血に頼ってばかりな事もあり、薬剤変更となった

 

次はカドサイラ 

 

HER2はマイナスなのだが、ERBB2というHER2のタンパク質を

作り出す遺伝子をわずかに持っているので、それに期待しての投薬である

 

あと、話題になっている『鬼滅の刃』

最終巻を読み終わって、最後の8ページ分のメッセージ

号泣した

 

自分の思っている事が書いてあったからだ

敵は病気やウィルスや災害

最後のラスボスは癌であるという考察があるようだが

自分はそれに一票

抗がん剤の経過

2019年12より行ってきた抗がん剤治療も早くも8ヶ月が経った

少量のとはいえ、抗がん剤は抗がん剤

18回行ってきたが、回数を重ねるごとに体に蓄積される

血液値がよくなく、白血球、血小板、ヘモグロビンに大きく影響がきたため

輸血をはさみながらの治療となった

 

しかし結果は良いものだった

7月に肝臓の定期検診のためにMRIを撮ったのだが

目立っていた腫瘍が見えなくなっていた

周辺臓器も問題がなく、水が溜まっていたりすることもなかった

この上なく良好だった

この病気で嬉しくて泣いたのは久々だ

 

しかも、抗がん剤治療は投与からの予定が立てやすいので

仕事や、日帰り旅行を楽しんだりすることができた

後半はきつい部分もあり、仕事を調整する必要や

料理のテイクアウトの回数が増えるなどしたが

QOLは保たれていたと思う

 

これを機に2週間ごとだった治療を3週間ごとにすることになった

やったーーーと思った

 

しかし

 

未知の3週間目に発熱が続き、COVIDの可能性もあるため緊急入院となった

血液検査、ウィルス検査、尿検査などをおこなって、CTも撮った

結果、COVIDは陰性で、体のどこかで炎症が起こっているが

何が原因なのかはわからないとなった

 

昨年の10月 日本滞在中に起こった発熱騒ぎと似ている

しかし今回の方が血液の数値や炎症の度合いも悪く

若干不安なところもあったが、意識もはっきりしているし

食事もなんとなく食べられる

抗生剤を投与しながら様子をみている

(これを書いているのは入院4日目)

今の所、1日に2回 38度を超える熱が出ているが

少しずつ低くなってきているように思える

 

相部屋のおばあさんもめんどくさいし

早く家に帰りたい

新型コロナウイルスに思うこと2

新型コロナウイルス騒動、1日ごとに状況が変わる
スイスでは6113人の感染と56人の死者(3/21)
私の住むチューリッヒ州では733の感染者と3人の死者(3/20)が確認されている

  • 公共のスペースで5人以上の集まりを禁止。違反すると1人100フラン(約1万1千円)の罰金
  • 対人距離2mを確保
  • 保育園は代替サービスがある場合にのみ閉鎖。4月19日まで
  • バー、レストラン、映画館、スポーツ施設は禁止。公私イベントも禁止
  • 食料・日用品店、薬局、テイクアウト、デリバリー、社員食堂、ガソリンスタンド、駅、銀行、 郵便局、 ホテル、公共サービス、福祉サービスは営業可。ただし10平方メートル当たりの入店者数は1人に制限
  • 一部鎮痛薬・解熱剤の販売は1回の購入につき1箱まで
  • 医療・衛生、流通、安全・警察業務にスイス軍の人員最大8千人を派遣。大規模な軍の動員は第二次世界大戦後初めて
  • 18日からイタリア、フランス、ドイツ、オーストリアに続き、スペインからの入国も禁止。ただし、スイス国民、スイスの滞在許可保持者、職業上の理由でスイスへ渡航しなければならない人を除く。物流は許可
  • シェンゲン協定域外の第三国(日本を含む)からの入国は原則禁止。シェンゲン・ビザは、18日から原則90日間発行されない
  • スイスから日本に帰国した場合、健康状態にかかわらず14日間の自宅待機が義務付けられる。公共交通機関の利用も禁止
  • スイス郵便は一部サービスを制限。日本行きの国際郵便物の受付は現在停止

少し前の情報だが、以上のことが政府から出された勧告だ
今では警察も外に座っている人たちへの声がけや、人の集まりそうな所の封鎖なども行なっているようだ

自分が最も怖いのは、やはり病院の状況だ
新型コロナの患者で一杯で、ベットの空きは少なくなっている様子

自分は病院に行く以外すでに2週間くらい外には出ていない
旦那さんも絶対にウイルスを私に移したくないとのことで、
自分と同様2週間くらい自宅にて仕事をしている
私たちは極力外出を控えている。しかし、若者を始め健常者はまだ真剣さが足りない
マイアミのお祭り騒ぎ、ドイツのコロナパーティーなどの
ニュースを見ると目を覆いたくなる
今はだいぶ意識が変わってきたかもしれないが、
チューリッヒでは数日前までは多くの人が湖に集まったりしていた
日本も桜が咲き、花見なんかで外で人と出会っていたら
連休で旅行なんて行っていたら
いままで上手くコントロールしてきたのに
欧州のように爆発的に感染者が増えてしまうだろう

先にベットが足りなくなっていると書いた
健常者は新型コロナに感染時は感染した時で
病院にいけばいいなんて考えかもしれないが
疾患を持っている患者の立場からしてみれば、冗談ではない
日本ではまだ病院は落ち着いているようだが、こちらではそうではない。
「異常事態」になっているのだ。ベットは開けていて欲しい。
本当に必要な人が使うべきだ。
本来ならば、定期検診でCT、MRIなどの検査を受けたいが、できるのかどうなのか
また、トリアージが本格化してきたらどうなる

1,自分は大丈夫だろうと過信して外出し、新型コロナに感染し、肺炎を発症した比較的若い年齢の患者
2,ステージ4でがん治療を行なっていて、家で待機しているのに、何らかの要因で間接性肺炎を起こしたり、何らかの緊急を要する症状がでている患者

まあ、2は自分だが、この場合1の方が優先されてしまうだろう
こんなことになったら、3ヶ月、半年ごとに命を更新してきて
7年間頑張り続けてきた治療も水の泡である
こんな状況に置かれている患者もたくさんいるのではないか。
がん以外にも、病院に通わなくては生きていけない疾患を抱えた人もいる。

そんなシナリオも考えてしまう。これは旦那さんも思っていることで
だから、二人して家に籠っている。
お願いだから、早く終息させるためにも、みんな家でじっとしていて欲しい
そして早く有効な薬が出てきて欲しい

 

追記
新型コロナで感染した患者は、病院で隔離中も家族にも直接面会できず
家族を見て会話できるのは、スカイプなどのテレビ電話のみ
亡くなった場合も家族に引き渡されることもなく火葬される
なんとも悲しい、残念な最後を迎えることになる
新型コロナの患者でなくても、病院面会は制限されている

新型コロナウィルスに思うこと

ついにスイスも動き出した

イタリアで感染が確認されたところで時間の問題だとは思っていた

感染者が10名くらい確認された頃

2/28日に1000人を超えるイベントは禁止ということが発表された

 

はっきり言って外出がとても怖い

バスや電車に乗るのも、駅を利用するのも

ゲームで言うならば、毒のゾーンに挑んでいる気分だ

コロナに限らずインフルも、強力なウイルスが空気中を漂っている

 

家から空港がそこそこ近いため、市内に出る電車にはたくさんの旅行者がいる

仕事場に行こうと思っても、メイン駅で乗り換えをしなければならないため

乗り換えをするだけなのにとても緊張する

電車やバスは換気もあるので、それほど深刻ではないと言っているが

こちらでは誰もマスクをしない

ハンカチで口を覆うものなら、クソガキにコロナとバカにされる

 

日本のニュースなどでも、手洗いなどを徹底すれば

それほど怖くない。風邪と同じ程度で済むというような内容だ

それはこちらでも同じなのだが

やはり抗がん剤を使い、いつも血液値に問題のある自分としては

感染したら、ワクチンや対応の薬が無い現在は重症化しやすい

最悪、死ぬのだ

 

SNS上で「政府の対応に踊らされず、臆病にならず失敗を恐れず行動しよう」

などと書き込んだ知り合いがいた

私はこの書き込みを「ウイルスを恐れず外出しよう」と読んだ

コメントには「ジムに行ってきた。楽しいことをやって感染したら感染した時に考える」

といったことを書き込んだ人もいた

 

本人は曖昧に書いていると思うが、疾患のある方にはとんだ迷惑だ

この数週間が大事と言っているのは

感染を広げるのを防ぐ目的はもちろん

病院のパンクや、有効な薬の有無を調べることにもつながるだろう

重症化した患者が病院で適切な処置を受けれない状態になったらどうするのだ

普通の健常者のように見えていても

疾患を持っていたり、治療中の人は周りにもいるはずだ

自分の父親も免疫抑制剤で治療中なので、ものすごく心配だ

 

1,2週間くらい家でおとなしくできないものだろうか

 

もちろん散歩などの外出は問題ないだろう

上に書いたような考えをもっているのは日本の方が多いのだろうか?

こちらでは旦那さんはすぐに自宅勤務を決めてきたし

自分も、とりあえす2週間くらいはスタジオに行きたくないと相談したところ

リスクは欲しくない、安全ではないから来ない方がいいと

ババっと決めてくれた

こういう環境に居られることは、とてもありがたいことだと思う

 

新型コロナウイルス、早く終息することを願うばかりだ